text 【FGO】かき氷を食べる以蔵とぐだ子の話 「暑い……」 「わしはそうでもないけんど」 「サーヴァントはそうだろうね……」 思わず言い方がきつくなってしまって、ふるふると頭を振った。ルルハワでの制作期間も随分と伸び、近頃は執筆活動の間にルルハワのスイーツ巡りに勤しんでいる。 「並んでまで食うっちゅうから大したもん... 2018.12.02 text
text 【FGO】ナポリタンを食べる以蔵とぐだの話 肩が凝ったし、首が痛い。タブレット操作のしすぎて手首も疲れた。もう限界だとマイルームを出て食堂へ急ぐ。こういうときは、ご飯を食べるのが一番だ。 「あ、以蔵さん」 「なんじゃ、お前も昼飯か」 「うん、もう資料作成疲れちゃって……」 たまたま食堂で一緒になった以蔵さんと一... 2018.12.02 text
text 【FGO】チェイテピラミッド姫路城in岡田 なんじゃあ、とわたしの後ろで以蔵さんが呻く声がする。驚くのも無理はない、チェイテピラミッド姫路城というのはそういうものだ。 「こがなもんを登ったんか、おまん」 「シンシンさんが背負ってくれて、上まで」 「ほおー……ようやるのう……で、わしの仕事は?」 以蔵さんは然程興... 2018.11.02 text
text 【FGO】ルルハワ初夜後のふたり 「夏休みが終わった気分はどうじゃ」 「……まだ孔明先生に出された課題が終わっておりませんので……」 「待て待て、ちくと座れ。行くんならわしも連れてけ」 以蔵さんはどこか不自然なほどの微笑みでわたしの手をがっしりと掴んだまま離さない。大人しくそのまま手を引かれ、ベッドの縁に... 2018.11.02 text
text 【FGO】幸せのおすそ分け カルデアの食堂にはいつも誰かしらのひとがいた。サーヴァントたちが己らの英雄譚もしくは悪事を話すこともあれば、職員たちが昔懐かしきふるさとの話に花を咲かせることもあった。 わたしは、それらに耳を傾けていることが多かった。何しろ、わたしの知らないお話ばかりなのだ。古今東西あらゆ... 2018.11.02 text
text 【FGO】これはすべて夢なのでは 全身、重たい疲労感に取り憑かれている。レースの応援、マシン調整、その他諸々の後には脱獄の手立てを考えるときた。毎日やることがたくさんあって忙しい。明日も、明後日も、そうやって続いていくのだろう。 「毎日毎日、忙しそうでえいな」 「うん、やることがあるのは楽しいから」 一... 2018.11.02 text
text 【FGO】スーツの岡田が書きたかった 古臭いビルの屋上に立って、煌々と光る新宿のビルを見ている。見知った都会の姿はそこになく、かつての亡霊と物語の気配が漂うだけだ。 ビル風に煽られて髪が踊る。視界を遮られた一瞬の後、視界の端に黒いスーツの人影が過った。 「……なんじゃあここは、血生臭い場所じゃのう」 長居... 2018.11.02 text
text 【FGO】冬が嫌いな岡田の話 冬が嫌いだ。 気配は消せても、吐く息の白さは変えられない。かじかむ指先は剣を持つ手を一瞬遅らせる。何より、呼吸がしづらくなるのが憎い。己の腕を鈍らせる寒さがとにかく嫌だった。 人間であった頃は、酒を飲んでごまかしていた。自分の体すべてがどくどくと脈打っように熱くなって、... 2018.11.02 text
text 【FGO】2部時空における1.5部背景イベントって主人公の夢なのでは? 夢から覚めるのは、いつも唐突だ。見慣れた白い天井、二年も過ごしてくたびれてきた枕とベッド、それに何度涙を吸わせたかわからない毛布にくるまって緩慢に瞬きを繰り返す。 そう、あれは夢なのだ。遠き極寒の土地、美しき氷炎の世界、空から落ちる種子。狭苦しい車内、息の詰まるような潜航。... 2018.11.02 text
text 【FGO】メモリアルクエストにて びょうびょうと黒い風の鳴く河原で、地獄がふたつ、こちらを見ていた。すらりと背の高く、鋭い眼光を放つ女|黒縄地獄は限界が近いらしく、己の獲物を頼りにしてその場に立っている。その奥にいる鬼衆合地獄は、今だ殺意鋭く、戦闘への熱意も高く、ころころと鈴のような笑い声を振りまいている。 ... 2018.11.02 text