text 【松】手紙(52) 十カラワンドロ【手紙】 「十四松、代わりに書いてくれ」 サインペンと一枚の絵葉書を渡すと、十四松は目をきょろきょろさせて、それから僕が書くのと俺に聞いた。この部屋には俺と十四松しかいなくて、差し出したそれはを受け取るのは自然と一人だけになる。 お前だよと念を押すように言ってやる... 2018.12.19 text
text 【松】じゃのめとはなにか(52) 雨の日にわざわざ外に出るやつの気が知れない、というおそ松の苦言を背中にして家を出た。 十四松はこの間の風が強い日に合羽を破いてしまって、新しい合羽を買ってもらったばかりだった。俺はレインブーツを新調したばかりで、逆に言えば雨が降っていないとこの外出に意味はない。 「あめあめふれふ... 2018.12.19 text
text 【松】イメージソング(52) 「兄さん、どう、似合うー?」 ちゃぶ台に肘をついて、寝かせた鏡を見ている。そこには分裂した小さな十四松が座って、まじまじと自分の姿を覗き込んでいた。 小さな十四松が裸でいるのが寒そうに見えて、自らの手で作ったタンクトップの切れ端でポンチョのようなものを作った。そんなに大したものじ... 2018.12.19 text
text 【松】はんぶんこ(52) おそ松になみなみと注がれた焼酎がグラス一杯残っている。 宅飲みのレギュラーと言えば、もっぱら安い缶チューハイか適当に調達してきた日本酒や焼酎をソーダで割ったものになる。バッカスが俺を誘うためかろくに味わえもしないのは周知されているので酒を注がれることもないのだが、今日は早々におそ... 2018.12.19 text