2018-11

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【UT】さみしいなにか140文字いっぱいパック

コートに雪の結晶がついていた冬のある日、地下鉄のホームで遠く離れていったもの話をしてください。 「よう。」  聞きなれた低い声に振り向いたが、そこには誰もいない。肩から下げた鞄を引っ張られてはじめて、サンズはこんなに小さかったかと思う。 「お前、コートに雪がたく...
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【UT】サンズがパピルスに待ちぼうけを食わされる話

 スノーフルの見張り小屋にいて、ぼんやりと雪を見ている。見張りなのだから、周囲の観察を怠らないのは当然のことだ。まあ、ただ見ているだけなのだが。  パピルスは、自分の作ったパズルの整備に余念がない。ニンゲンを捕まえるため、と言ってはいるが本人が楽しんでいるところも大きい。何しろ...
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【UT】パピルスがサンズに「働かないの?」と言う話

幸福の定義というのは何だろう。  毎日あたたかな布団で眠れることだろうか。身近な友人がいることだろうか。それとも、陰鬱とした日々をぶち壊す英雄が現れ、あっという間に今まで積み重なっていた嫌なことを片付けてくれることだろうか。 「兄ちゃんッ、そこに寝てると邪魔!」  ゴーゴー...
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【FGO】チェイテピラミッド姫路城in岡田

 なんじゃあ、とわたしの後ろで以蔵さんが呻く声がする。驚くのも無理はない、チェイテピラミッド姫路城というのはそういうものだ。 「こがなもんを登ったんか、おまん」 「シンシンさんが背負ってくれて、上まで」 「ほおー……ようやるのう……で、わしの仕事は?」  以蔵さんは然程興...
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【FGO】ルルハワ初夜後のふたり

「夏休みが終わった気分はどうじゃ」 「……まだ孔明先生に出された課題が終わっておりませんので……」 「待て待て、ちくと座れ。行くんならわしも連れてけ」  以蔵さんはどこか不自然なほどの微笑みでわたしの手をがっしりと掴んだまま離さない。大人しくそのまま手を引かれ、ベッドの縁に...
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【FGO】幸せのおすそ分け

 カルデアの食堂にはいつも誰かしらのひとがいた。サーヴァントたちが己らの英雄譚もしくは悪事を話すこともあれば、職員たちが昔懐かしきふるさとの話に花を咲かせることもあった。  わたしは、それらに耳を傾けていることが多かった。何しろ、わたしの知らないお話ばかりなのだ。古今東西あらゆ...
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【FGO】これはすべて夢なのでは

 全身、重たい疲労感に取り憑かれている。レースの応援、マシン調整、その他諸々の後には脱獄の手立てを考えるときた。毎日やることがたくさんあって忙しい。明日も、明後日も、そうやって続いていくのだろう。 「毎日毎日、忙しそうでえいな」 「うん、やることがあるのは楽しいから」  一...
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【FGO】スーツの岡田が書きたかった

 古臭いビルの屋上に立って、煌々と光る新宿のビルを見ている。見知った都会の姿はそこになく、かつての亡霊と物語の気配が漂うだけだ。  ビル風に煽られて髪が踊る。視界を遮られた一瞬の後、視界の端に黒いスーツの人影が過った。 「……なんじゃあここは、血生臭い場所じゃのう」  長居...
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【FGO】冬が嫌いな岡田の話

 冬が嫌いだ。  気配は消せても、吐く息の白さは変えられない。かじかむ指先は剣を持つ手を一瞬遅らせる。何より、呼吸がしづらくなるのが憎い。己の腕を鈍らせる寒さがとにかく嫌だった。  人間であった頃は、酒を飲んでごまかしていた。自分の体すべてがどくどくと脈打っように熱くなって、...
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【FGO】2部時空における1.5部背景イベントって主人公の夢なのでは?

 夢から覚めるのは、いつも唐突だ。見慣れた白い天井、二年も過ごしてくたびれてきた枕とベッド、それに何度涙を吸わせたかわからない毛布にくるまって緩慢に瞬きを繰り返す。  そう、あれは夢なのだ。遠き極寒の土地、美しき氷炎の世界、空から落ちる種子。狭苦しい車内、息の詰まるような潜航。...
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